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導入事例

2023.05.18

【メリービズ経理DX 導入事例】株式会社温故知新

DXを軸にした総合的な経理・会計コンサルティング『メリービズ経理DX』の導入事例をご紹介します。

今回ご紹介するのは、2011年創業のデスティネーションホテル・リゾートの運営およびプロデュースを行う株式会社温故知新です。

2019年の『バーチャル経理アシスタント』ご導入後、『メリービズ経理DX』を合わせてご利用いただいている同社は、月次決算業務からクラウド会計システム刷新などの業務設計コンサルティングまで、経理・会計の幅広い領域でメリービズをご活用いただいています。

 

『メリービズ経理DX』が実現する、“気軽な”大改革──温故知新の会計システム刷新プロジェクト

企業が上場を果たすためにはさまざまな準備が不可欠だ。厳しい会計基準への対応もその一つ。しかし、そこには思わぬネックが潜んでいることも……。

瀬戸内リトリート青凪や、壱岐リトリート 海里村上など、世界的な評価を受ける数々の宿泊施設を運営している株式会社温故知新も、上場に向け準備を進めている企業の一つ。「創業以来、経理組織と呼べるようなチームを持っていなかった」と語るのは、同社で代表取締役を務める松山知樹氏。2019年8月ごろ、規模の拡大に伴い増え続ける経理業務に対応するため『バーチャル経理アシスタント』を導入いただいたのち、上場に向けた準備として勘定科目の見直しを含む会計業務の精緻化に取り組むことになった同社。

しかし、それまで使用していた会計システムの機能に不足があり、切り替えを余儀なくされることになった。通常業務を進めながら、会計システムの切り替えを完了させるべく活用したのは、メリービズのコンサルティングサービス『メリービズ経理DX』だった。本記事では松山氏に加え、経理を担当する溝井ひとみ氏にインタビュー。メリービズとの取り組みの軌跡をうかがった。

 

2011年の創業当初から、「リモートワークは当たり前」

──まずは、御社の経理業務の特徴から教えて下さい。

松山:数字を管理しなければならないグループ会社が多いことが最大の特徴ですね。現時点でグループ会社は8社あり、愛媛県松山市や長崎県壱岐市など、全国各地に点在しています。それらの会社の経理業務を本部が一手に引き受けているため、それぞれの会社宛の請求書などが本部にまとめて送られてくる。それらを整理しながら、経理作業を進めなければならない点が、特徴であり難しいところですね。

──創業以来、本部が一括して経理業務を行う体制を取ってきたのでしょうか?

松山:創業当初、社員は私一人でしたし、グループ会社も存在していなかったので「最初から」というわけではありません。でも、遠隔地に法人を設立し始めた当初から本部が経理業務を担当しているので、そういう意味では「体制はずっと変わっていない」と言えるかもしれないですね。

宿泊施設の運営という業態の特性上、遠隔地と連携を取りながら業務を進めることは避けられませんし、バラバラの場所にいながらにして協働することは、私たちにとっては当たり前のことなんです。

──コロナ禍をきっかけにリモートワークが普及したことによって、マネジメントの問題を抱えている企業も少なくないと聞きます。御社の場合は、以前からある種のリモートワークが当たり前になっていたとのことですが、管理上の不安を感じたことはないのでしょうか?

松山:ないですね。これは温故知新のカルチャーであり、私のマネジメント上のポリシーとも言えるのですが、メンバーの自主性を信じて任せ、細かく管理しないことにしているんです。メンバーそれぞれに役割を与え、あとは働き方なども含め細かいことにはああだこうだ言わないのが、創業当初からの方針。

もちろん、グループ会社の業績や各メンバーのアウトプットには注意を払っていますが、必要以上に口を出さないようにしています。今後は新卒採用にも力を入れていこうと思っているので、新人たちには細かな指導をしなければならないと思っていますが、これまでは経験者を中心に採用してきたので、マイクロマネジメントをせずとも十分成り立ってきたわけです。逆に言えば、働く場所や働き方の自由度を高く保ってきたからこそ、居住地を問わず優秀な人材を採用できた。

──溝井さんも三重県にお住まいだそうですね。

溝井:はい。私は2020年3月に入社し、現在リモートワークで本部の経理業務を担当しているのですが、リモートで働けることが入社の大きな決め手になりましたね。ただ、もちろん「リモートで経理業務ができるのかな」という不安がなかったわけではありません。でも、実際に働き始めてみると松山が言う通り、かなり自主性を尊重してくれますし、とても働きやすい環境になっていることを感じました。

 

経理業務こそ、在宅ワークに適している

──現在は溝井さんが経理業務を担当されているとのことですが、溝井さんがご入社されるまではどのような体制で業務を進められていたのでしょうか?

松山:創業からしばらくの間、専任担当は置かず、私が一人で経理業務を担当していました。その後、業務量が増えるにつれて私だけでは厳しくなったので担当者を採用したこともあったのですが、なかなか定着には至らなかった。ですので、2011年の創業以来、いわゆる経理組織と言えるようなチームは存在していなかったんです。

しかしその間も会社自体はどんどん大きくなっていましたし、グループ会社も増えていました。2019年にはグループ会社が4社になり、その後の拡大も見据える中で、経理チームを組織しなければならないと考えるようになったんです。

──採用に力を入れることに?

松山:もちろん、そういった選択肢も考えました。ただ、これまでのことや、遠隔地の拠点との協働というワークスタイルを考えたとき、外部のパートナーと手を組むのも一つの手なのではないかと思ったんです。そうして、経理業務をアウトソーシングできるパートナーを探し始め、出会ったのがメリービズさんでした。

メリービズさんを知ったきっかけはDMです。そこからリサーチをしてみると、フルリモートで業務を請け負ってもらえることがわかった。これが決め手になりましたね。人員をオフィスに派遣する形で、経理業務を代行するサービスもあるじゃないですか。そういったサービスの場合は、コストも高くなるだろうなと思っていましたし、対応してもらえる時間が「何時から何時まで」と固定されてしまうことも目に見えていた。

その点、フルリモートで、しかも経理業務の経験が豊富なスタッフが業務にあたってくれるメリービズのサービスはとても魅力的に映りましたね。元々、経理業務って在宅勤務に適した仕事だと思っていたんです。でも、在宅勤務であっても経験豊富な経理スタッフを集めるのはかなり大変なことだというのはそれまでの経験で知っていたので、そういったスタッフさんを数多く抱えているメリービズさんに依頼するのは、自然の流れだったというか。

──創業当初からリモートワークが当たり前の環境を整えているという意味では、相性がとても良いのかもしれませんね。

松山:そうですね。発想がかなり近いと感じましたし、親和性はかなり高いと思いましたよ。

 

決算時期も難なく乗り越えられている

──そうしてメリービズのサービスを導入してくださったのが、2019年の8月頃。導入当初の所感をお聞かせください。

松山:当時はまだまだ経理業務の運用が定まっていなかった時期なんです。そういった状況の中で、一緒に仕組みを考える姿勢で業務に臨んでくれたことがとても助かりました。メリービズさんは「うちのやり方はこうだから」と押し付けてくるようなことは絶対にしないんですよね。「お互いがやりやすい方法を考えましょう」というスタンスでいてくれた点がありがたかった。

それに、やっぱり「辞めない」ことが大きいですよね。先程お話したように、これまでは経理担当者が辞めてしまうことがあって、そのたびに新たな担当者の採用に動き、採用できたら引き継ぎのためのコストを割かなければならなかった。

もちろん、メリービズさんの中で担当者が変わることはこれまでにもありましたが、こちらから業務の流れなどを説明したことはなくて。内部でしっかりとしたマニュアルをつくり、スムーズに引き継ぎを行ってくれているので、とても安心感があります。

──溝井さんはいかがでしょう?

溝井:引き継ぎや教育のコストがかからないことは、大きなメリットですよね。あとは、決算時期にメリービズさんのありがたみを強く感じました。決算時期って、通常業務に加えてさまざまな業務が発生しますよね。特に弊社の場合は、複数のグループ会社の決算も担当しなければならないので、細かな業務も含めて業務量がかなり増えるんです。

そんな決算期をこれまで問題なく乗り越えられているのは、メリービズさんの貢献が大きいですね。かなり細かな仕事も拾ってくださいますし、こちらをフォローしながら注意深く業務を進めてくださるので、本当に助かっていますよ。

 

会計システムの切り替えも、ワンストップで実行

──そう言っていただけてとても嬉しいです! また、会計システムの切り替えにも共に取り組ませていただいたと聞いているのですが、会計システムの切り替えってかなり大変な作業だと思うんです。なぜ、取り組もうと考えられたのでしょうか?

松山:上場準備の一環ですね。今後、上場を目指すにあたって、会計面でかなり変えなければならないことがあったんです。当然これまでも細かく、適正に処理してきたのですが、上場するとなると、さらに基準が厳しくなる。

──会計を「上場企業基準」に持っていくためにも、会計システムを切り替えなければならなかったと。

松山:そういうことです。より具体的に言えば、以前使用していたシステムは勘定科目を過去にさかのぼって変更できなかった。以前は勘定科目を統一しておらず、グループ会社ごとにバラバラになっていたんです。これを過去も含めてすべて統一した方が、今後の会計処理を見据えると絶対にいいと思ったので、過去の勘定科目を一気に変更できるシステムに切り替えようと。

──かなり大変な作業だったのではないかと想像するのですが。

松山:いえ、私たちの業務内容とその量は、切り替え作業を始める前とほとんど変わらなかったんですよ。というのも、切り替え作業の大部分はメリービズさんが引き取ってくれたので。

溝井:切り替え作業をしてもらっている間もそうですし、切り替えが完了したあともまったく問題なく業務を進められたのはとても助かりましたよね。私たちは当然、以前使用していたシステムに慣れていて、新しいシステムについて知識があるわけではありませんでした。

でも、メリービズさんには新システムに対する豊富な知見を持ったコンサルタントがいて、とても丁寧に使い方を教えてくれたんです。わからないことがあったら、「とりあえずメリービズさんに聞いてみればいいか」と気軽に尋ねられたので助かりました。

松山:まだまだ変えなければならない部分はたくさんありますし、経理業務の仕組みは発展途上です。とはいえ、メリービズさんとの取り組みを始めてから、かなり前に進んだと感じています。

 

『メリービズ経理DX』導入以前の『バーチャル経理アシスタント』導入インタビューについては、こちらよりご覧ください。
経理業務も、リモートワークが当たり前。経理担当者が「入社時から」在宅勤務ができた理由とその効果とは

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